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「アンストッパブル」(公開中)


もう,どうにも「とまらない」と言えば山本リンダ氏
「とまらない」の弾む心が,と言えば河合奈保子氏
「とまらないとまらない」孤独の嵐だよ,と言えばシャネルズ


と言うわけでこの作品,無人の貨物列車が走り出してとまらない
「さぁどうする!」というシンプルな内容


一応,家族関係や企業の論理なども描かれているが通り一遍の感
ただ100分足らずというコンパクトなサイズなので,退屈せずに楽しめる


主演は,「サブウェイ123激突」「ザ・ウォーカー」など,最近ことさらB級感を漂わせているデンゼルワシントン

そして監督は,トニースコット

以前,この二人の作品「クリムゾン・タイド」をおすすめしたことがあるが
本作品は,「お正月映画だから,おとそ気分でどうぞ」と言うところか


観るのならDVDではなく,映画館の大スクリーンが良い
途中でとめられないからね


ところで作品名から,下痢止め薬の「ストッパ」(ライオン株式会社)が頭に浮かび
「そりゃ,アンストッパブルは辛かろう」
というおバカな発想をしてしまうのは,自分だけだろうか


新年早々,尾籠な話で申し訳ない

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「アパートの鍵貸します」(1960年)


現在発売中の雑誌「サライ」の特別付録「クリスマス・ソング集」CDは,そこそこ良かった

というわけでこの作品,とんでもないクリスマスイブを迎えた男の顛末を描く,ビリーワイルダー監督の傑作コメディ

保険会社の平社員バドは,出世のために,上司の情事の場所として,自分のアパートの部屋を貸していた
隣の部屋に住む医者が,隣人の毎晩のご活躍(!)に驚き,「死んだら検体になってくれ」と頼む始末
そんなある日,バドは,好意を抱いているエレベーター嬢のフランが,上司の愛人であり自分の部屋の利用者であることを知る
そして,クリスマスイブの夜に,大変なことが起こる・・・


底抜けにおめでたい主人公バド役に,ジャックレモン
この手の役をやらせたら,まさに天下一品だ


フラン役のシャーリーマクレーンのあっけらかんとした演技も良い

人の良い隣室の医者の夫婦が笑いを誘う

洒落たセリフ

テニスラケットでパスタを茹でる有名なシーン

そして何と言っても,観客の期待を裏切らない結末

まさにこの季節にぴったりの映画といえよう
年末の忙しさを一時忘れて,ビリーワイルダーの世界を存分にお楽しみあれ

おすすめ!




「SPACE BATTLESHIP ヤマト」(航海中,もとへ,公開中)


我々の年代の選択科目のパターンとしては,
「マジンガーZ」→「ヤマト」→「999」→「ガンダム」→卒業
というのが多いのではないだろうか?
(卒業しない人もいるだろうけれど・・・)


さて,なぜか今,そのヤマトの実写版である

遊星爆弾の放射能汚染による人類絶滅の危機を救うため,謎の惑星イスカンダルへ向けてヤマトが発進する
果たしてヤマトは人類を救うことができるのか?


内容は,ガミラス星と地球との戦いというテレビ第1シリーズのストーリーを下敷きにして細かい設定を変更し,それに劇場版「さらば宇宙戦艦ヤマト」のエピソードをちりばめたものになっている

好き嫌いは別として,かつての「ヤマト」シリーズ独特の愁嘆場の描き方は,実写版でも健在だ
ただ,いくぶん唐突感は否めないが


お気に入りのシーンは,
「対ショック,対閃光,防御!」
「ターゲットスコープ,オープン!」
「エネルギー充填,120%!」というファンにはお馴染みのセリフで緊張感を盛り上げて波動砲を発射するところ


そして,沖田艦長役の山崎努氏が,缶コーヒー片手に
「ヤマト発進しろぉーいボス」というシーン
(ウソ)
徳川機関長役の西田敏行氏が,機関室で
「年末ジャンボお早めに!」と叫ぶシーン
(やはり,ウソ)
真田技師長役の柳葉敏郎氏が,敵の攻撃に体を硬直させ
「あっ,固まった」と言ってアリナミンEXを飲むシーン
(当然,ウソ)
佐渡医師役の高島礼子氏が,医務室でこっそり「黄桜」を飲むシーン
(半分本当)


宮川泰氏作曲の挿入曲(傑作!)を聴き,昔の「ヤマト」シリーズの名シーンを想い出して懐かしむという楽しみ方はあるだろうが
かつての「ヤマト」シリーズを知らない人は,楽しむことができるのだろうか
かと言って,知っている人が「満足度,120%!」というわけでもないのだが・・・


21世紀に実写版で復活した「宇宙戦艦ヤマト」
そして,支持率が下がり続ける「浮上せん菅ナオト」

過度に期待をしなければ,どちらもそれほど腹は立たない


「イヴの総て」(1950年)


どのような稼業にも表の顔と裏の顔がある

ショービジネスの世界は,表が派手な分,裏は相当に醜いようだ


というわけでこの映画,そのショービジネスの裏の顔にスポットライトを当てた内幕もの

大女優の舞台入りを劇場の入り口で待ち続けていたイヴは,あるきっかけでその大女優の付き人になる
そこから1年足らずで,イヴはスターの地位にのぼり詰める
そのための,欺罔,策略,裏切り,脅迫など,えげつなくもたくましいイヴの総てが描かれる


主役のイヴ役にアンバクスター
彼女は晩年,テレビに活躍の場を移し
刑事コロンボ「偶像のレクイエム」では,まるでイヴ自身のような犯人像を演じている


ところで,若き日のマリリンモンローが女優志願者役で出演している
その後,彼女は大ブレイクし,その活躍ぶりはご存じのとおり
そして私生活上のスキャンダルもしかり
彼女こそ「イヴ」を実践した女優なのではないか


華やかな世界の陰の部分

今ならさながら「エビの総て」というところか
(まさかの3週連続,同じオチ)


成田屋さん,ごめん


「マイレージ,マイライフ」(2009年)


羽田空港の国際化が本格的にスタートしたという

というわけでこの作品,航空会社のマイレージを集めるのが生きがいの男の物語

リストラを告げる専門会社に勤めるライアンは,全米各地を文字通り飛行機で飛び回り,リストラ対象者にひたすら解雇を言い渡す日々を送っている
そんな彼の目標は,マイレージを1000万マイル貯めること
空港が彼のマイホームであり,「バックパックに入らない荷物(負担)は負わない」が彼の持論
スマートに見える彼の行動は,時に滑稽であり,時に哀れである
そして念願の目標を達成した時,彼の胸中は・・・


主演はジョージクルーニー

人間関係が希薄になっている現代に警鐘を鳴らすヒューマンドラマ
というところか


某航空会社の整理解雇の話題がオーバーラップし
秋の夜長にしんみりしてしまう


ところで,成田空港はこれからどうなるのか?
茨城空港は?


更にしんみりしてしまう



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